就活生が福利厚生コンサルタントになるまで|ふくりNavi
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健康経営コンサルタントとは、従業員の健康管理を「経営課題」としてとらえ、企業の健康づくりの取り組みを支援する専門家です。経済産業省は健康経営を「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と定義しており、人的資本経営への関心の高まりとともに、健康経営を推進したい企業からの相談が増えています。
一方で、健康経営コンサルタントと近い領域の職種として、福利厚生コンサルタント、人事コンサルタント、社会保険労務士(社労士)、年金コンサルタントなどがあります。いずれも企業の人材や働き方に関わる仕事ですが、支援する領域や役割には違いがあります。
この記事では、健康経営コンサルタントの役割を整理したうえで、福利厚生コンサルタントとの違いや、関連する職種との違いをわかりやすく解説します。
健康経営コンサルタントは、企業の経営層や人事・総務部門、産業保健スタッフと連携し、従業員の健康課題を整理して、健康づくりの方針や施策づくりを支援する仕事です。単に健康イベントを実施するのではなく、健康診断やストレスチェックの結果、休職・離職の状況などを踏まえ、企業の課題に合った取り組みを検討します。
健康経営が注目される背景には、従業員の高齢化や人材不足、メンタルヘルス不調への対応、生産性への影響などがあります。健康状態の悪化による欠勤(アブセンティーズム)や、出勤していても本来の力を発揮できない状態(プレゼンティーズム)は、企業の生産性にも関係すると指摘されています。
健康経営コンサルタントの特徴は、「健康」というテーマを軸に、施策の企画から運用・効果測定までを支援することです。産業医や保健師、健康保険組合など、社内外の専門家と関わる機会が多い点も特徴といえます。
健康経営の取り組みを「見える化」する制度として、経済産業省が推進する健康経営優良法人認定制度があります。日本健康会議が認定する制度で、大規模法人部門には上位認定の「ホワイト500」、中小規模法人部門には「ブライト500」「ネクストブライト1000」が設けられています。2026年3月9日に発表された「健康経営優良法人2026」では、大規模法人部門3,765法人、中小規模法人部門23,085法人が認定されました。また、上場企業を対象に優れた健康経営を実践する企業を選ぶ「健康経営銘柄2026」では、28業種44社が選定されています。
健康経営コンサルタントになるために必須の資格はありませんが、関連する研修・資格として、東京商工会議所が経済産業省の委託を受けて実施する「健康経営アドバイザー」「健康経営エキスパートアドバイザー」があります。前者は健康経営の必要性を伝える普及・推進者、後者は課題の抽出や改善提案を行う実践支援者として位置づけられています。
健康経営コンサルタントと福利厚生コンサルタントは、どちらも従業員が働きやすい環境づくりに関わる仕事です。ただし、扱うテーマの範囲や支援の切り口には違いがあります。
| 健康経営コンサルタント | 福利厚生コンサルタント |
|---|---|
| 従業員の健康管理・健康づくりを中心に支援する | 福利厚生制度の設計・導入・運用を中心に支援する |
| 健診・ストレスチェックのデータや健康施策の効果測定に関わる | 制度の利用状況や従業員のニーズを踏まえた制度改善に関わる |
| 産業医・保健師・健康保険組合など健康分野の関係者と連携する | 人事・総務担当者と連携し、従業員にとって使いやすい制度設計を考える |
| 健康経営優良法人などの認定取得を目標に据えることがある | 働きやすさや従業員満足度の向上を目的に制度全体を見直す |
健康経営コンサルタントが「健康」という軸で企業を支援するのに対し、福利厚生コンサルタントは、福利厚生制度を通じた働きやすい環境づくりに幅広く関わる点が特徴です。
福利厚生には、健康支援、育児・介護支援、住宅補助、食事補助、自己啓発支援、保険、年金関連制度など、さまざまなものがあります。健康支援は福利厚生の一部でもあるため、両者の仕事は重なる場面もありますが、福利厚生コンサルタントは健康以外のテーマも含めて、制度全体の導入や運用改善を支援します。
福利厚生コンサルタントは、企業の福利厚生制度について「何を用意し、どう使ってもらうか」を企業とともに考える職種です。健康経営コンサルタントが健康というテーマを深く掘り下げるのに対し、福利厚生コンサルタントは働く人の生活に関わるテーマを横断して扱う点に特徴があります。
福利厚生が支えるのは、健康だけではありません。結婚や出産、子育て、家族の介護、住まい探し、資格取得やスキルアップなど、従業員のライフイベントや日常に関わる場面はさまざまです。
健康施策は健康診断やストレスチェックといった共通の入口から検討しやすい一方、ライフイベントは人によって時期も内容も異なります。福利厚生コンサルタントは、年齢層や家族構成、働き方が異なる従業員が、それぞれの場面で使える選択肢をどう用意するかを考えます。「誰の、どんな場面を支えるのか」を幅広く考えられる点は、この仕事の面白さの一つです。
福利厚生の仕事は、制度を導入した時点で終わりではありません。社内にどう周知するか、申請の手間を減らせないか、利用が少ない制度は内容が従業員に合っていないのか。こうした運用の場面にも関わります。
その過程で、利用件数の変化や社員アンケートの声、担当者からの「使いやすくなった」という反応など、自分の提案が働く人に届いたことを確かめられる機会があるのも特徴です。制度は用意すれば必ず使われるものではないからこそ、使われる形にするまで関われることに手応えを感じる人もいます。
健康や労務の分野では、産業保健の知識や国家資格が前提となる仕事もあります。一方、福利厚生コンサルタントに必須の資格はありません。企業の担当者の話を聞き、課題を整理して選択肢を示すという進め方が仕事の中心にあるため、新卒から知識を積み上げながら実務に関わっていける点も、この職種の入りやすさにつながっています。
もちろん、社会保険や税務、健康管理、育児・介護支援など、関連する知識は必要になります。ただし、それらは「より良い提案をするために学ぶもの」であり、学んだ内容がそのまま企業や従業員への提案に生きるため、学習と実務がつながりやすい環境でもあります。
健康経営コンサルタントと比較されやすい職種には、人事コンサルタント、社会保険労務士(社労士)、年金コンサルタントがあります。それぞれ得意領域が異なるため、違いを整理しておきましょう。
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| 健康経営コンサルタント | 従業員の健康管理や健康経営の推進を支援する |
| 人事コンサルタント | 採用・育成・評価・報酬・組織開発など人事領域全般を支援する |
| 社会保険労務士(社労士) | 労働・社会保険の手続き、就業規則、労務相談など法令実務を支援する |
| 年金コンサルタント | 企業年金や退職金制度、公的年金など年金領域を支援する |
| 福利厚生コンサルタント | 福利厚生制度の設計・導入・運用を支援する |
健康経営コンサルタントは健康施策に強く、人事コンサルタントは人事制度や組織づくり、社労士は法令や手続きに強みがあります。年金コンサルタントは年金や退職金に特化した専門家です。一方、福利厚生コンサルタントは、健康、育児・介護、生活支援、自己啓発など、福利厚生に関する幅広い制度を扱います。
福利厚生コンサルタントは、企業の制度づくりや従業員の働きやすさに関心がある人に向いている職種です。特に、相手の課題を聞き取り、企業の状況に合わせて提案する力が求められます。
福利厚生制度は、給与、労務管理、社会保険、税務、健康管理、育児・介護支援など、さまざまな領域と関係します。健康経営のような健康分野の知識も参考にしながら、幅広い知識を学び続ける姿勢が大切です。
健康経営コンサルタントは、従業員の健康管理を経営的な視点でとらえ、健康施策の企画・運用や健康経営優良法人の認定取得などを支援する専門家です。一方、福利厚生コンサルタントは、福利厚生制度の設計・導入・運用を通じて、従業員が働きやすい環境づくりを支援します。
どちらも従業員の働く環境に関わる仕事ですが、扱うテーマや支援範囲は異なります。健康経営コンサルタントとの違いを理解することで、福利厚生コンサルタントがどのような場面で活躍する職種なのかも把握しやすくなります。
福利厚生コンサルタントは、健康支援も含めた幅広い制度づくりを通じて、企業と従業員の双方を支えられるのが魅力です。仕事内容ややりがいをさらに詳しく知りたい方は、ふくりNaviのトップページもあわせてご覧ください。